レスベラトロールの効果

最近分かり始めた様々な効果

人体試験での心臓や血管内皮細胞機能の改善が明らかに
上腕動脈の流量依存性拡張(FMD)は心臓や血管内皮細胞のバイオマーカーである。WONG博士らはレスベラトロール(レスベラトロール)のFMD改善効果を調べた。
19名の肥満男性と閉経女性に30,90,270mgのレスベラトロールまたはプラセボを二重盲検、ランダム、クロスオーバーにて投与し、1時間後に血漿レスベラトロールレベル及びFMDを測定した。
その結果、レスベラトロール投与には濃依存的効果があり、血漿レスベラトロールとFMDが有意に上昇した。
レスベラトロール270mg投与で、FMDはプラセボの4.1+-0.8%から7.7+-1.5%に上昇した。

 

人体実験での食事抑制と類似の肥満抑制効果を証明
2011年、肥満男性(11名)と健常人(11名)によるランダム、二重盲検研究が行われた。レスベラトロール150mgを30日間毎日クロスオーバーにて経口投与した結果、レスベラトロールは有意に睡眠、休止代謝率を減少した。筋肉にて、SIRT1及びPGC-1αタンパクレベルを上昇した。
炎症マーカー・肝臓脂質・血圧・血糖値を低下した。
レスベラトロールは、カロリー制限と類似の効果を示した。

 

血管閉塞症の原因である血管の内膜新生を阻害する
血管閉塞症の原因は新生内膜のためと考えられている。
マウス大腿骨動脈にワイヤによる損傷で、内膜の過成形モデルを作成した。トランスレスベラトロールをモデルマウスに経口投与したところ、顕著に内膜過成形を阻害した。
血管平滑筋培養細胞にて、レスベラトロールは血小板由来増殖因子誘導のDNA合成を阻害し、サイクリンDとPRBの減少により細胞増殖を阻害した。
TRVは血小板由来増殖因子誘導の活性酸素産生を阻害した。

 

血管平滑筋細胞増殖を阻害、動脈硬化を抑制する。
ブドウや赤ワインに含まれるレスベラトロールの二重体ビニフェリンの血管平滑筋細胞増殖阻害効果を調べた。1はレスベラトロール同様、ブドウに多く含まれる。1はレスベラトロール同様血小板誘導の増殖因子による細胞の増殖、活性酸素種(ROS)生成を阻害し、NO生成を増加した。
ROS生成阻害以外は1のかっせいはレスベラトロールより高かった。1は動脈硬化抑制に、レスベラトロールより効果的に働くと考えられる。

 

レスベラトロールとPED5阻害剤の相乗的ED治療効果
Ed治療薬PDE5阻害剤には有効ではない患者もいる。
レスベラトロールとヴァルディナフィルとの併用効果を調べた。ヒト海綿体平滑筋細胞にて、レスベラトロールとヴァルディナフィルは相乗的にCGMPレベルを上昇させた。
また。薬剤投与で糖尿病を惹起したラットは勃起機能障害を発症したが、レスベラトロールまたはヴァルディナフィル投与は陰茎海綿体血圧平均動脈比を改善。レスベラトロールとヴァルディナフィルを併用すると、ICPMAP比を相乗的に改善した。

 

ワインとレスベラトロールのコレステロール酸化阻害効果
コレステロール・エマルジェン系にて、赤ワイン、白ワインの酸化阻害効果を評価。
コレステロールの安定性は主要酸化産物である7−ケトを測定し評価した。
1:250(RWCE)では72時間後も7−ケトは未生成。1:1000ではRWは24時間までは酸化を100%阻害。1:10ではWWも48時間まで酸化を100%阻害した。レスベラトロール溶液1:500は24時間まで酸化を100%阻害した。

 

レスベラトロールは短命脊椎動物の寿命を延ばす。
魚の一種northobarnchius furzeriは寿命が13週である。本来短命の種で、種々の老化バイオマーカーが早期に出現する。成魚になる少し前からレスベラトロールを餌に混ぜ投与すると、用量依存的にに平均寿命及び最大寿命を延ばした。
さらに、加齢依存的な運動活性低下及び認識機能低下が遅くなり、脳の神経原線維変成の発現が減少した。
RVTは短命脊椎動物の寿命を延ばし、加齢依存的マーカー発現を遅らせることが判明した。

 

レスベラトロールの動脈硬化抑制効果
ウサギにレスベラトロール1.5%を含む高食餌を投与し、同時にレスベラトロールを含む水又は3.98ml、3.23mlのレスベラトロールを含む脱アルコール赤ワインおよび赤ワインを12週投与。胸部大動脈の動脈硬化病巣の観察から、レスベラトロール含有飲料投与群では病班のサイズ、密度、動脈班の面積、内皮層の厚さが顕著に少なかった。
また、高食餌により血流依存性血管拡張25%減少したがRVT含有飲料にて効果的に阻害された。

 

ブドウポリフェノールの心臓病予防効果
凍結乾燥ブドウ粉末(LPG)36gまたはプラセボを24名の閉経前の女性および20名の閉経後の女性に4週投与した。
LPG92%は炭水化物で、フラバン・アントシアニン・ケルセチン・ミリセチン・レスベラトロールなどを含む。
LPG投与後、血漿トリグリセドが閉経前女性で15%、閉経後女性で6%減少。脂質組成、酸化ストレス状態、炎症マーカーを改善することから、LPGには心臓病予防効果が期待できると考えられる。

 

ブドウ種子エキス中枢神経保護効果
ラット中枢神経系領域における、ブドウ種子エキス(GSE)の加齢により促進する酸化障害や記憶機能に及ぼす影響を調べた。
若年および老年ラットにGSEを100mgkg30日間投与した。
老年ラットにGSEを投与すると、メモリー機能が改善し、活性酸素の生産が減少し、たんぱくのカルボニル量が減少し、チオール量が増大した。以上により、GSEはラット脳の抗酸化レベルの上げ、タンパク酸化を抑え、その結果、中枢神経系を保護したと考えられている。

 

赤ワインは急性冠症候群患者のストレスを減少する。
急性冠症候群も後、経皮治療を受けている患者9名に赤ワイン250mlを毎日投与した。患者11名は対照(非飲酒)とした。2ヵ月後、血管拡張率は両群共に顕著に改善した。白血球DNAの8-OHデオキシグアノシン・レベルの両群で減少したが、ワイン群の方が顕著であった。総抗酸化活性は対照群でも上昇したが、ワイン群では対照群より有意に上昇した。
赤ワインは酸化ストレスのパラメーターを顕著に改善した。

 

ブドウに含まれるレスベラトロールの制ガン効果
イリノイ大学のグループはブドウに含まれるレスベラトロールが抗がん活性を示すこと報告した。
レスベラトロールは発ガンプロセスの3段階総てに作用し、骨髄性白血病細胞の分化を誘導、マウス乳腺培養細胞の新生物の病変進行を阻害、0.2〜2.7mgの投与でガンを68~98%減少させた。レスベラトロールはフレンチパラドックスを説明するワイン成分の一つであり、血小板凝集抑制作用、悪玉コレステロール(LDL)の酸化防止作用等が報告されていた。

 

レスベラトロールは造骨細胞の増殖と分化を促進する
レスベラトロールはMC3T3-E1細胞のDNA合成を濃度依存的に増加(10-9〜10-7M)した。
レスベラトロールはアルカリフォスタファーゼ(ALP)活性と、プロリルヒドロキシラーゼ活性も上昇した。更に、抗エストロゲン剤であるタモキシフェンは、レスベラトロールのMC3T3-E1細胞増殖とALP活性上昇活性を消失させた。一方、レスベラトロールはプロスタグランジンE-2産生を阻害した。本研究はレスベラトロールの造血細胞の増殖と分化促進効果を直接照明したものである。

 

レスベラトロールによる酸化ストレスの改善
ブドウや他の植物に含まれる、レスベラトロールの酸化ストレスの改善能を調べた。PC12培養液に、Fe2+およびt-butyl hydroperoxideを添加し、酸化ストレスを誘導した。レスベラトロール、ビタミンC、およびまたはビタミンEを、酸化ストレスを与えている培養細胞液に添加した。レスベラトロールとビタミンCおよびまたはビタミンEの組み合わせ添加は、3種の物質単独よりも、酸化ストレスからの細胞保護に効果的であった。

 

レスベラトロールはがん細胞の増殖を抑制する
増殖の早いガン(yoshidaAH-130腹水肝ガン)を移植したラットに、レスベラトロールを投与したところ、極めて顕著なガン細胞の減少が認められた。本効果は、細胞サイクルG2-M期細胞の増加と相関していた。興味深いことに、フロー・サイトメトリーで調べたところ、異数体のピーク(全体の28%)の存在が認められた。
即ちレスベラトロールはがん細胞にアポトーシスを引き起こし、その結果がん細胞数を減少することが示唆された。

 

レスベラトロールのダイオキシン毒性低減効果
アリル炭化水素受容体(AHR)リガンドであるダイオキシンやベンツピレンは、環境に害作用を及ぼす環境ホルモンである。赤ワインに含まれるレスベラトロールがダイオキシンや他のAHRリガンドの競争的拮抗体であることを発見した。
レスベラトロールはチトクロームP-4501A1インターロイキン-1Bなど、ダイオキシン誘導性の遺伝子活性化を阻害した。
環境ホルモンの毒性低減予防薬として臨床効果を調べるべきと考えられた。

 

レスベラトロールはヒト乳がん細胞増殖を阻害する
レスベラトロールはエストロゲン受容体ポジティブ・ヒト乳がん細胞MCF-7細胞における、17-Bエストラジオールの細胞増殖効果を濃度依存的に阻害した。阻害は細胞増殖および遺伝子活性化レベルの双方で観察された。レスベラトロールは5×10-6Mにて、E-2の増殖効果を10-9Mまで阻害した。
この、抗エストロゲン効果は、10-6M以上で観察された。レスベラトロールはエストロゲン存在下ERと拮抗的に作用し、ヒト乳がんの増殖を阻害することが判明した。

 

レスベラトロール等のワイン抽出物の心筋保護作用
ラットの摘出心臓を使い、1群には虚血処理15分前から赤ワイン抽出物(RWE)を灌流し、30分虚血状態とし、虚血後2時間再灌流した。他の3群も同様に処理したが、灌流後に10ナノMのトランスレスベラトロール0.07%エタノールを添加すると、RWEとRVTは再虚血灌流に対し心筋保護効果を示した。RWEとRVTは虚血後心筋におけるマロンジアルデヒド生成も減少し酸化障害から心筋を保護した。

 

単純ヘルペスウィルスの複製を阻害する
ブドウに含まれるファイトアレギシンであるレスベラトロールは単純ヘルペスウィルスの1型(HSV-1)および2型(HSV-2)の複製を、濃度依存的、可逆的に阻害した。ウィルス感染後1時間以内にレスベラトロールを投与すると、複製は完全に阻害され、6時間では複製が遅延したが、9時間後には全く無効であった。レスベラトロールは細胞サイクルのS-G2-Mフェイズを遅延させた。
レスベラトロールはHSV複製の初期段階に作用することが判明した。

 

天然抗酸化物レスベラトロールの心臓保護効果
麻酔ラットの左冠動脈を30分又は5分間閉塞後、30分灌流した。ラットは閉塞処理前にレスベラトロール(RES)添加、無添加条件で灌流し、虚血および虚血-再灌流後の不整脈および死亡率を比較した。RESによる前処理は虚血誘導不整脈および死亡率に影響しなかったが、虚血-再灌流後には顕著な保護効果を示した。RESは虚血-再灌流ラットにおいて心臓保護作用を示し、その作用はRESの抗酸化活性とNO産生抑制によると考えられた。

 

ブドウ果汁はヒト血小板の凝集を阻害する
ランダムクロスオーバー試験において、ボランティア10名(26〜58歳、男女各5名)に5〜7.5mlkgdのブドウ果汁、オレンジ果汁またはグレープフルーツ果汁を7〜10日間飲用させた。飲用1週間後、血小板凝集活性を調べた。ブドウ果汁飲用にて血小板凝集活性は17.9+-2.3から4.0+-6.8オームに有意に減少した。しかしオレンジ果汁・グレープフルーツ果汁では全く効果がなかった。ブドウ果汁は血栓症、心筋梗塞の予防になると思われる。


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